自己肯定感について。アニメとか本とか映画とかからの学び・感想。

どんなことも、自己肯定感につながると思うのだ。なので、学んだことを記していきます(無理やりのときもあります)

【映画】「殿、利息でござる!」の感想

実話なんですって。

なんだろ、なんか、「いい人」が多すぎて

ちょっと食傷気味でした。

そんな人たち、いねえだろうよ、っていう、

うがった見方をしてしまった。

いや、いたからこそ、「実話」なんだろうけど。

これが盛ってなかったんだとしたら

「事実は小説より奇なり」です。

 

はい、ではあらすじを。最後まで書くのでネタバレありますよ。

 

 

最初に、夜逃げをしようとしている家族が出てくる。

浅野屋という造り酒屋で金貸し業の店主に見つかる。

「すみません、返せません。許してください」

と言ったところ、店主が降りてくる。

(ああ、終わったな・・・)という雰囲気が漂う。

なんでよりによって自分が金を借りている店の前を通って

逃げようとするかね。。。

他に道はなかったの?って思った。

(文字通りの「道」ね)

 

で、場面変わって。

お茶でお上に認められた瑛太扮する菅原屋が、

自分の作ったお茶に偉い人に名前をつけてもらって

お嫁さんもらって地元に凱旋してくる。

「お迎えの人だ!」と思ったら

「馬、くれ!」って言って

持っていかれてしまった。

ここは仙台藩の小さな宿場町。

ここでは「伝馬役」という、物資の輸送を行う

役割が課せられていて、

通常「伝馬役」には藩から助成金が出るのだが、

ここは直轄じゃなかったので助成金が出ず、

ここの住人が負担しなくてはならず、

その費用がかさんで破産したり、夜逃げしたりするものが

後を絶たない、という状況だった。

造り酒屋の阿部サダヲ扮する十三郎は、

嘆願書みたいのを出そうとするんだけど、

「そんなことをしたら殺される!」と思った

菅原屋はそれを止める。

「これは、私が上様からもらったお茶の名前です」

みたいになんか見せる。

「おお、菅原屋。素晴らしいな。これからも精進しろよ」

みたいなことを言われて終わり、

「アンタ、死ぬ気ですか?!」と

菅原屋が十三郎に詰め寄る。

アニメ「平家物語」のしょっぱなでもあったけど、

逆らうと切られるんだよね。

恐ろしい世の中ですよ。。

 

この菅原屋さん。

浅野屋さんにお金借りてました。

返しにいくときに、

「もうちょっと、ねえ」って言ったら

「あなたの将来を見込んでお貸ししているのです。

あなたほどの人なら返せるでしょう?」

とか言われて、

ぐうの音も出ずに店を出る。

上手ですな、浅野屋さん。

ちなみに浅野屋さん。

最初に出てきたときは山崎努だったのですが、

代替わりしたらしくて、妻夫木聡になってました。

 

なんとかならんかね、と

竹内結子扮する「とき」の飲み屋で話し合う。

どうやら菅原屋は知恵者、とみんなに思われているらしい。

菅原屋は、

「今、藩は金がなくて困っている。

1000両貸したら、利息は毎年1割が相場だから、

毎年100両のお金が入ってくるわけで。

そしたら伝馬役の代金も賄えるよね」

という策を考える。

まあ、菅原屋は「ま、無理だよね」って思っていたのに

十三郎は菅原屋の知らんところで資金集めと同志に奔走していた。

 

しばらくして。

菅原屋の茶畑に十三郎がやってきて

「あの話。おじにしたら、いいねってなったんだ。

だから、やろう!」と言われて

(え?本気にしてたの?)って焦った菅原屋は

「じゃあ、肝煎(なんか偉い人)に言わないとねえ」

とか言って、(止めてもらおう)と思ったのに、

寺脇康文扮する肝煎が「いいね!」ってなっちゃって

(え?!)となった菅原屋は、

このあたり40くらいの村をおさめる

「大肝煎にも言わないとねえ!」って言って

止めてもらおうと思ったのに

千葉雄大扮する大肝煎に泣きながら

「何と素晴らしい考え。

こういうことは私が思い浮かばなければいけなかったのに」

とかいって支持されてしまって。

このときの瑛太の顔が最高にウケる(笑)

 

おおごとになってしまって

やらざるを得なくなりました。菅原屋も(笑)

「言い出しっぺなんだから、身銭を切りますよ!」

とか言って、よくできた奥さんにも尻叩かれて。

止めてくれるかと思ったのに(笑)

しょうがなく、家財道具からなにから全部うっぱらう羽目に(笑)

同志たちで、1人500貫文集めればなんとかなるんじゃないか。

ということで。

500貫文って、3000万。

いや、マジか。すげえな。

3000万っていうのは、確かに一家庭でも

なんとかならない額ではないけれど、

それで終わる、という額でもある。

 

で、みんなで節約してお金を貯めます。

それを他の住民が見て、ざわざわし始める。

「何やってんだ」と。

で、噂は広がるわけです。

その村に住んでいる金持ちたちが、

見栄とか、そういうので金を出したりしてくれる。

「いや、うちも出さないとまずいよね」

的な雰囲気に、百姓たちがしてしまうというか。

ここがまた面白かった(笑)

大きく3つに分かれているようで、

「うちのとこの○○さんは、いくら出すらしいですよ。

ねえ、さすがうちのとこは素晴らしいねえ!」みたいな。

そんなこと言われたら、ほかのとこも出さざるを得ないですよね。

小さな村なんだから。

ただ、それだと出してない人が責められるのもよくない。

そういうためにやっているわけではないので、

今回金を出したからといって偉そうにしないこと。

上座には座らず、つつましく生きろ、

という約束みたいのを交わす。

 

そしたらさ、浅野屋さんがむっちゃ金出してくんだよ。

「足りないなら出しますよ」

みたいな。

で、もともと浅野屋の長男で、養子に出された十三郎は

なんかすごく面白くない。

自分が言い出しっぺの一人なんだけど、

「降りる!」ってなっちゃって。

「兄である私より上に立ちたいのか!」って。

「なんで私が養子に出されたんだ。普通次男だろう?!」って

不満が爆発です。

ま、確かに。普通、次男ですよね。

「私は父上の話なんか聞いてなかった。遊びたかった。

弟はよく聞いていた。優秀だったからだ。

私だって浅野屋に負けないように頑張ってきた。

それなのに!!」

って。

で、浅野屋に行ったところ。

浅野屋は、実は悪徳な金貸し業ではなくて。

最初に夜逃げした人も、

てっきり痛い目にあわされたかと思ったら

「あんたはよく頑張った。」と言って

返さなくていいから、と金を握らされていたのだ。

その金を返そうとしにきていた元・夜逃げ人。

貧乏人には返済はせっつかずに

金持ちからのみ、高い利息を取っていた。

しかも、先代からずっと金をためていて、

伝馬役について、なんとか軽くしてもらえないか頼め、

って言っていたらしい。

周りから「ケチ」だのなんだの言われても気にせず、

人のためになることをしろ、と言われていたらしい。

「そんなの、聞いてない!」って十三郎は言うのだけど、

養子に行った十三郎は巻き込むな、という教えがあって。

それなのに、十三郎は自分の酒屋をつぶす勢いで

同じことをしている。

血は争えないねえ、って言うのだ。

 

それまでは

「お上に言うのにも、タイミングってもんがあるんだよ」

とかいって一度却下されたことで渋ってた大肝煎に

さっきの浅野屋の話を聞かせる。

大肝煎はいたく感動して、その上の人に

もう一回掛け合う。

「今日、今回この話が出てきたのではありません。

浅野屋の先代から、ずっと、ずーっと考えられてきたことなのです!」

みたいな。

「そ、そうなのか!」って言った堀部圭亮

人の心を動かすってすごいよね。

やってることは一緒なのに

「想い」を伝えるって大事だな、って思った。

でもさ、この先の代官が松田龍平なんだけど。

この人が「金なんか絶対借りない」という人でさ。

「貸す方になっても、絶対借りない。

借りて利息なんて払い始めたら終わりだ」

って考えの人で。終わった。。。って思ったよ、出てきたときは。

堀部圭亮とのやり取りが最高に面白いです(笑)

 

で、この代官。

何度も何度もしつこく言い寄られて、

「わかったよ。銭で受け取れるかい。千両でもってこい」っていうの。

「貫文」というのはどうやら銭の数え方らしい。

金でできた金である「両」でもってこいと。

それがさ、銭の通貨価値が下がっていて、

5000貫文=1000両だったんだけど、

今は1000両=5800貫文になっちゃったらしい!!

ドル円か?!

為替リスクがあるんか?!

堀部圭亮は気づかなくて

「承知!」って言っちゃったんだけど、

その辺わかってて吹っ掛けてきたっぽい。

500貫文=3000万円ということは、

800貫文=4800万円!!!!!

 

でも、この好機を逃したくない、

ちゃんと借りてくれるって言ったんでしょ、

用意さえすれば、借りてくれるはず、

ここで「そんなのないですよ」って抗議して

「じゃあ、なかったことに」とされるのが

一番嫌!!

というわけで、また奔走するわけ。

 

一応さ、浅野屋に行くんだけど。

また「出しますよ」って言うのね。

「いや、でもお宅は出しすぎだから」って

だったら来るなっての、って思いつつ。

そしたら、十三郎は大変なことに気が付く。

「歌が聞こえない」

造り酒屋では、酒を造るときに、どうやら歌を歌うらしい。

その歌が聞こえてこない。

浅野屋は、金を出しすぎて

造り酒屋を辞めてしまっていた。

「お米を買う金がありません」って。

つまり、浅野屋は店をつぶしてしまったのだ。

うぉい!!ってなる十三郎。

でも、「先代の悲願ですから。どうか受け取ってください」

と言われて、お金を受け取ることに。

しかも、妻夫木くんが、目が悪くて、

「養子先で迷惑をかけてしまうから、

私を手元に置いたのでしょう。

兄上にはご迷惑をおかけしてすみません」となって、

十三郎の積年の恨みも晴れやかに。

 

村民たちも、ちょっとずつだけどお金を出す。

「とき」の店でのツケとか。

あと、十三郎の息子が、奉公に出ることにしたらしく

(親に黙って)

10年分の賃金をそちらに充ててください、と。

あんなに十三郎に反発していたのにね。

反発してたんですよ。何やってんだよ、つぶす気かよ!って。

まあ、そうなるわな。

10年って、長いよ。。。すごいよ。。。

 

で、集めて、献上するわけだ。

ここまでしてしまえば、松田龍平もぐうの音も出ない。

むしろ感心する。

で、「お前ら、偉いな。褒美を授ける」

って感じで、呼びつけるわけ。

馬と籠を用意して、迎えに行くわけよ。

そしたら、浅野屋は来ないのよ。

「目が悪くて来られません。」

「籠も用意しただろうよ。」

「馬に乗ったら馬が可哀想だし、籠なんて人力だからもっての外。

という先代の教えがありまして。」

と、兄である十三郎がいうわけで。

「いつも籠に乗っているのは誰だと思ってんだ、コラ」

って言われるけど、

「ふーん、あっそお」って松田龍平はいなくなる。

息を詰めていたみんながほっとして崩れ落ち、

「アンタ、死ぬ気ですか?!」

って最初のセリフを菅原屋(瑛太)が言います。

ほんとだよ!死ぬ気かよ!!

 

で、地元に戻って、よかったよかった。

ところで浅野屋さん、ちょっとみんなでお金集めたから、

受け取ってくださいよ、つぶしたらなんも意味ないでしょ。

いやいや受け取るわけにはいきません。

そういうと思ったよ。ははははは

ってなっているところに、

なんか誰かやってくる。

これが、仙台藩の藩主なんだな!

「ええ?!なんで急に?!」ってなるわけ。

で、この藩主が、羽生結弦なんだな!!

フィギュアスケートの!!!

えー!?ってなった。

最初、

なんか若いイケメン出てきたな、すごい見たことある、

誰だ、この俳優誰だっけ、超有名人じゃん、絶対知ってる

ってなって、

羽生結弦選手じゃない?!」ってなったときの衝撃。

だって、普通だったもん。

普通に上手だったもん。

どこの俳優だろうかと思った。

表現力が世界一だからなのだろうか。

さすがである。

まだ先だろうけども、競技人生の後には、

俳優もお勧めしますよ、羽生さまさまなんでもおできになる。

 

で、その藩主が

「浅野屋が馬も乗らないというのでな、こちらに来られないというから

来たぞ。

馬も籠も使わずに来たわ。」

ってなって。

「今回は松田龍平が悪かったな。」

って。

「うちもお金がないから助かるよ。

そして君たちには感服したよ。

して浅野屋さんよ、店をつぶすのはよくない。

3つ、酒の命名するから、それで売れ」

っていって

『春風』『霜夜』『寒月』の3つの酒の名前を授けて

「じゃ」っつって出ていく。

この、「偉い人に名前をつけてもらった商品」というのは

この時代、すごかったみたいだね。

最初でも菅原屋さんが褒められてたし。

 

そんなこんなで、浅野屋は酒が売れて大儲け。

村の伝馬役の代金も、利息で賄えました。

しばらく続いたけれども、40年後で途中でいきなり反故にされて

でもそのときに助けたのは、あのとき金を出さなかった酒屋。

そこまで見据えていたのかねえ。素晴らしい。

全員貧乏になったら、無理だもんね。

体力を残しておくところは必要だったんだ。

で、幕末まで続いて、だいたい60年間続いたらしい。

利息金は6000両の利息が支払われたんだって!!!

利息ってヤバイ。。。

年1割の投資ってすごいな。。。

 

この後の、後日談みたいなところの、

瑛太が最高でした。

なんか、嫁さん怒らせて

「どうもすみませんでした!」って

叫んでいるシーンがあって(笑)

なんつーか、頭がよくて知恵者なのに、

奥さんには頭があがらないというか(笑)

で、この話は和尚さんが書き上げたらしんですけどね。

ってかおい、寺坊主。

テメエも金出したんだろうなあ?!

テラなんてすげえ金持ってるだろうよ?!コラ?!

って思いました。

出してたらごめんね☆てへ☆

出してなったら「ゴルァ!!」ってなるわ。

 

この映画はとてもうまくできていて、

「そして。1年後(○○年)」とか

「あと〇貫文(〇両)」とか出てきて、

コミカルになっていてよかったです。

 

あと、みんな上手。

ちょっと阿部サダヲがくさいですけども(笑)

ま、あべさださんなんで。

瑛太が最高です。

 

これはさ。

何よりもハイライトなのは、

「全く同じ事柄だったとしても、

『心』を動かせば、人は動く」

というところだよね。

結局は義理人情かよ、って思うところはもちろんある。

ちょっと思ったもん。

でも、結局、そこなんだよな。

キメツの炭治郎も言ってたけど

「人は心が原動力だから」って。

どんなに素晴らしいことを言っていても、

『心』に留めてもらえなければ伝わっていないのと同じ。

そして、ビジネスライクでいえば、

Win-Win」が必要で。

人間関係でいえば、

「あなたも大切よ」とちゃんと伝えること。

「私たちの利益だけを考えているのではありません。

この村を、こんなに愛しているからです。

あなたの統治している、この村を、こんなに愛しているから。」

 

これで思い出したのが、とあるツイート。

とても好かれるおばあちゃんに、

そのコツを聞いたところ、

「相手をただ愛するだけではだめ。

相手が愛されているとわかるように愛しなさい」

とのこと。

最高のことをおっしゃっている!!

 

つまり、相手の自己肯定感を上げてあげる必要がある。

みんな、肯定されたがっている。

「私は、あなたの味方です」

と、言う。

それが伝わるようにする。

そうすると相手の自己肯定感があがる。

そして、こちらに好感を持ってもらえる。

 

ちょっと、「やり方が汚いのでは」と思われるかもだけど、

いえ、あのおばあちゃんのおっしゃった通り。

 

「相手をただ愛するだけではだめ。

相手が愛されているとわかるように愛しなさい」

 

ただただ、つらいのです、と訴えてもだめなのだ。

あなたの土地に住んでいる私たちは、

ここを愛している。

長く住み続けたい。

だから、よりよくしたいのです。

あなたの土地が好きだから。

と、肯定することで、

「そうか。そこまで考えてくれるか」

と、向こうも気を良くするわけだ。

敵ではない。味方なのだ。

みんな、味方にするのだ。

その方法は。

 

「相手をただ愛するだけではだめ。

相手が愛されているとわかるように愛しなさい」

 

なわけだ。

 

今回は相手の自己肯定感をあげることで、

自分の意見を通す、ということを学びましたよ。

 

監督:中村義洋

 私、この監督さん、好き。

 伊坂幸太郎の話を映画化するならこの人がいい。

 最高にしてくれて、ありがとう。っていつも思うもん。

ナレーター:濱田岳

 やっぱりねー!!そうだと思ったよねー!!

 本人も出ればいいのに!!!

十三郎:阿部サダヲ

菅原屋:瑛太

浅野屋:妻夫木聡

とき:竹内結子

 本当に、亡くなったのが悲しい役者さんですね。

 美しい。そして、本当に素敵。

 ああ、なんで。いまだに思う。

大肝煎:千葉雄大

肝煎:寺脇康文

浅田屋(先代):山崎努

十三郎の叔父:きたろう

両替屋:西村雅彦

 いや、この人よかったよね(笑)

 この人の反応が、普通!!

仙台藩藩主:羽生結弦

ちょっと下の代官:堀部圭亮

だいぶ上の代官:松田龍平

 

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